Good Job! Center KASHIBAは、障がいのある人とともにアートやデザイン、ビジネスの分野を超えて、社会に新しい仕事をつくる場である。クライアントのたんぽぽの家は、奈良で40年以上障がいのある人の創造力を、アートや仕事につなげる活動をされてきた方々である。彼らが運営する「アートセンターHANA」 を訪れると、大勢のテーブルで皆と一緒に絵を描くのが好きな方もいれば、自分の机をカスタマイズして居心地よい場所にしている方や、倉庫の片隅に自分一人だけの場所をつくって仕事をしている方もいることが印象的だった。そこで、Good Job! Centerでもそれぞれの人が気持ちよく過ごせるたくさんの居場所があって、それが建築の佇まいそのものになっている建築をつくりたいと考えた。
話し合いを重ね、壁や床、屋根、家具といった様々な要素が一気に集まったような建築が生まれた。個人の居場所がありながらも、全体としてみんなの気配を感じることが出来るワンルームの空間である。いろいろな向きに配置された壁が、人の動きや光の反射、視線を導き、歩きまわると次々とシーンが展開していく。歩いて1分ほど離れた敷地には、平屋の北館も作られ、より落ち着いた創作やワークショップのスペースとして利用されている。たんぽぽの家のメンバーによるフォントのサインや、アートセンターHANAで織られたテキスタイルの照明など、コラボレーションによって生まれたオリジナルのものたちによって、空間がより生き生きとしたものになっている。
Make, Work, and Spread” Space
This is a project of centers for operation and activities for a civic organization. Collaborating with people with disabilities, this center is aimed to create new jobs that transcend the borders between art, design, and business. It is consisted of diverse spaces: a brightly lit space with a high ceiling, a dimly lit, yet cozy and calm space, a lively space opening to the local community, and so forth. It was conceived to become a place for new explorations where each of people, regardless of their abilities or disabilities, and no matter whether they are the locals or those from afar, can find a space that fits their personality to work comfortably.